Designer Interview
ーアンビエントのように癒し要素が多いデザインー
Makoto Morita/森田誠
埼玉県 武蔵野美術大学 CI学科
WURTZITE
ウルツァイトはダイヤモンドよりも硬い合成鉱物。目的を失った現代に向かうべき1つの方向を提示している。行き止まりの人のための集団。興味深いものを作っている。
登竜門──鯉が滝を登り龍になる物語
下地には、キリスト教のシンボルである「イクトゥス」が上向きに描かれている。これは本人が幼い頃から身近にキリスト教が信仰されていたことに起因する他、絵の展開にも重要な意味が込められている。
亡友であるグラフィティアーティストから影響を受け、文字にはこだわりがある。
美術館で保管するわけではないグラフィティは、いずれ塗り潰されたり上書きされたりしてしまう。
妙々たる作品が上書きされる遺憾を、当連作で写真作品に残し昇華するという思いがある。
背景はやり直しが効かず再現性が無い且つ、強い滝の流れを想像させる描き方で"WATER"と描かれている。
「龍鯉」の漢字はやり直しが許されない書道を修めていた経験から来ている。
制作期間に鬱病を抱えており、救いを求めていた。この連作を完成させることが本人にとっての祈りや修行であった。
「何者かになりたい」という内なる思いが「登竜門」という形で作品に投影されている。
日本では神として崇められている龍神も、悪魔扱いしている国がある。
この大きな相違をテーマとした映画からインスピレーションを受けた色合いを、4枚目に落とし込んでいる。
グラフィティの世界では、元の絵より色数を少なくしてはいけないという「掟」のもと絵の上書きがされている。
商品化を経て
「アートが商品化されることが嬉しい。その靴下もただのファッションアイテムではなく半分アートだと思う。それは、その時の思いとかを足元にはいてくれる人がいること、
全員が意味合いを感じてくれるわけではないが、明らかに他の靴下と違く、意味が込められてあるからすごく良い商品だと思う。」